TEDxUTokyo 2026 出展レポート

可視化研究所は、2026年4月19日に東京大学本郷キャンパスにて開催された「TEDxUTokyo 2026」に出展いたしました。 今年のイベントテーマは「アナログ(Analog)」です。
イベントの公式サイトでは、以下のようなメッセージが掲げられていました。

アナログとは、連続しているということ。 私たちは連続的な世界を生きている。 私たちはその世界をラップし、離散化することで理解する。 学問も社会も、それを積み重ねることで発展してきた。 ただ、ラップされた世界は、時にそれが連続しているという事実を見えにくくする。 本来つながっているはずのものが、離散化された姿として現れる。 それでも、私たちは連続的な世界を生きている。 その世界で私たちは、何を見て、何をするのだろうか。

引用 : TEDxUTokyo 2026 特設サイト

弊社にとって初めてのイベント出展ということもあり、気合をいれて準備を進めていきました。

コンセプトとテーマとの連動

今回のブースでは、自社プロジェクトである「シャッフルフォントシリーズ」の展示を行いました。中心として展示したのは、アイソメトリック図法を用いて家々を設計した絵文字フォント「Shuffle Town」です。

Shuffle Townの制作背景として、
街を俯瞰するようなイラストは、通常であれば制作に高い工数や費用がかかります。しかし、一つ一つのパーツを分解してみると、実はシンプルで似たものの集まりでした。これを欧文フォントの仕組みに組み込み、各アルファベットに絵文字を割り当てることで、デザインソフトがなくてもキーボードをランダムに叩くだけで、カスタマイズ性を持ちながら誰でも高密度な街並みを作れるのではないかと制作していきました。

本プロジェクトはSNSでも話題となり、開発当初は想定していなかった反響が集まりました。
単なるイラスト作成ツールとしてだけでなく、「暗号」として、あるいは「ゲームのオブジェクト」や「子どもの遊び道具」としてなど、多様な用途がユーザー主導で生まれていったのです。

フォント本来の「読ませる」という役割を取り払い、文章を記号の並びとして、またフォントを配置システムとして捉え直す。そうしてタイピングをした瞬間、ユーザーは「連続性」に着目し、読ませる以外の役割を想像する。これらの仕組みと結果が、今回のテーマである「アナログ的」と解釈し、出展に至りました。

出展内容

ブースでは、弊社の事業紹介を交えながら、Shuffle Townの体験型展示を行いました。
来場者の皆さまに実際にキーボードで文字を打っていただいたり、ご自身のイニシャルなどを入力していただき、その場で生成された街のイラストをシールに印刷してお渡しする企画を実施しました。

当日の様子と反響

当日は中学生から大人まで、幅広い年齢層の方々に足を止めていただきました。
「可愛い!」という直感的なご感想から、「これで秘密の文通をしたら面白そう!」といったアイデア、生成の規則性に関する技術的なご質問まで、多様な声が寄せられました。「フォントです」と口頭でご説明するだけではなかなか理解されにくい部分もありましたが、実際にキーボードに触れ、打つキーすべてで異なる絵が現れるのを見て初めて「普通の絵文字とは違う!」と驚かれる方が多かったのが印象的です。お子様が夢中になってキーボードを叩き続け、お父様が困惑されるという微笑ましい場面もありました。

振り返ってみて

来場者の皆さまとの対話や、他の素晴らしい出展ブースを巡る中で、多くの気づきを得ました。 私たちのちょっとした遊び心から始まったプロジェクトでしたが、ユーザーの皆さまが自ら使い方を想像し、楽しんでいただけるという手応えを肌で感じることができました。

「Shuffle Town」単体への反応はもちろんですが、今後は「シャッフルフォントの制作事業」としての可能性も感じています。例えば、お菓子のモチーフを使ったフォントや、IPビジネスの一環としてのキャラクターフォントなど、企業のブランディングツールの一つとして、こうしたオリジナルの絵文字フォントを広く提案していく展開も面白そうだなと考えています。

現在は、カラーフォントへの展開に向けて、3種のナッツフォントを試作しております。(6月リリース予定)

おわりに

会場にはAIやロボットを用いた先進的な展示も見られました。
「アナログ=手作業で古臭いもの」というイメージではなく、「連続性がどこにあるか」というモノの見方を考える機会をいただけたことで、今後の制作において役立っていくように感じています。

可視化研究所はこれからも、制作会社としての業務の片隅で、自社サービスを拡張しながら、新しい伝え方を実験・収集し続けてまいります。
足を運んでくださった皆さま、並びに運営スタッフの皆さま誠にありがとうございました。